Aqoursに終わって欲しかったオタクの話 with 6thライブ感想
手を伸ばして!
大きな世界 広い世界が 待ってるんだ
Fantastic Depature!
……待っているはずでした。
5thライブにて˝新しい輝き˝へと手を伸ばしてから約1年。6thライブツアーのテーマソングである「Fantastic Depature!」を引っ提げ、未知なる大海原へと出向したはずのAqoursに降りかかったのは見えない厄災。
節目の年を虚無に過ごし
過去最大規模のドームツアーは流れ
その後も、足搔こうとする度に現実に叩き伏せられてきた。
そんな折に発表されたのが新たな6thライブツアー
Aqours 6th LoveLive! ~KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR~
でした。
(以降調子のいい時の校長先生並みにクソなげぇ話が続くのでWINDY STAGEの感想だけ読みたいという方はそちらまで飛ばしちゃってください)(校長だけに好調ってか)(ハイハイ或人じゃないと)
選手宣誓 お気持ち表明
「Aqoursには出来る限り続いて欲しい反面、どこかでしっかり区切りをつけて欲しいと思ってる自分もいる」
6thライブ埼玉公演にて、共に参戦した友人にこんな話をしたのを覚えています。
この友人はかなり熱心にAqoursを追っている人間であるため直接的な表現は避けたのですが、これを口にした時、自分の中での後者の想いはかなり大きなものでした。
大丈夫だとは思いますが一応弁明しておくと別に今のAqoursが嫌いとかそういう訳ではなく。
ただこう、何と言うんでしょうね。
元々この筆者が「終わり」に重きを置いてこのシリーズを追っていた部分が大きかったことに加え、この先のAqoursが、もといラブライブ!サンシャイン!!の向かう先が全く見えない。そんな事態に漠然とした不安を感じていたのかもしれません。
実際、2020年以降のAqoursの活動やそれを取り巻くファンの空気感に思う部分があったのは自分だけではないと思います。
「きっとまたAqoursに会える」。そんなタグから始まった流れはいつしか公式にも伝播してゆき、気付けばコンテンツ全体に感傷的な風潮が生まれていた。
勿論それ自体が悪いことではないのはわかっている。いつかの再開を願い希望を持ち続けることはきっと美しいことだ。
Aqoursだってそう。どんな時でも足搔き続けてきたからこそ5thライブでの輝きがあったことはわかっている。
でもこの流れは決して喜ばしいことじゃない。言い方は少しアレですが、オタクと一緒に傷のなめ合いを続け、それをエモいの言葉で片付けるコンテンツに輝かしい未来があるようには思えなかった。
正直コンテンツそのものが先細りしているような感覚があったのは否めなかったし、事実Aqoursから離れていくオタクを見たのも一度や二度じゃなかった。
俺の見たかった˝新しいAqours˝はこんなんじゃない。でもここで離れる選択は取れなかった。
μ’s全盛期にラブライブ!を知った中学2年生の頃に出会ってから早7年。筆者はこの作品に貰い過ぎたし、あの18人を好きになり過ぎてしまった。どこかで心苦しく思いながらも離れられない状態が続いていた。
だからこれ以上衰え続けるのなら、美しい思い出のまま幕を閉じて欲しい。
そんな身勝手な想いがあったのは事実です。
KU-RU-KU-RU Rock 'n' Roll TOUR
上述のことから大体お察しかとは思いますが、題名新たにこの6thライブツアーが発表された際は喜びよりも不満の方が大きかった、と言うのが正直なところでした。
そりゃそうでしょう。我々が失ったのは「Fantastic Depature!」の名を冠した5大ドームツアーであり、それをどっかのソシャゲとのコラボソングにNTRれるなんてたまったモンじゃありません。
まあ、別に違う曲が表題を飾る、と言う事象自体は別にいい訳です。
ただなんだよクルクルクルーラーって。お前の頭がクルクルクルーラーだわ。明らかにこれまでナンバリングライブの表題飾ってきた曲に比べて浮いてんじゃねーかふざけてんのか。信じて待ってた6thライブツアーちゃんがどこぞのソシャゲかぶれの楽曲に奥までたっぷりストライクショットされて戻ってきてみろ。俺が親なら卒倒するわ(???????)
……まあ要するに、一種の神域でもあったナンバリングライブの表題をまるでその場しのぎのようにぽっと出のコラボソングが飾ってしまったことが納得いかなかった訳です。楽曲自体はとても好きなので猶更。
SUUNY STAGE
などと愚痴ってはいたものの、しっかりばっちり埼玉公演両日参戦キメる信者ですこの筆者は(名古屋は虹4thもあった関係上金がなくアーカイブで妥協)。
4thライブ以来の参戦でワックワクの相方と共に向かった現地。Aqoursのワンマンでは殆ど3年ぶりであるメットライフドーム改めベルーナドームにて筆者達が見て感じたことは――――――、
さっっっっっっっみい!!!!!!
いやマジで、ガチのマジでさっむい。
名前を改める前に構造を改めろ。なんで屋根閉まらないんだよお前。Day2のドリカラのタイミングで西日を差した仕事は評価してやらなくもない。ライブが進行すると共に暗くなっていくのも趣きがあって好きだ。
ただそれを差し引いてもやっぱ寒いんだよ。
2nd3rd5thと通い続けてると流石に愛着も湧いてくるけど、やっぱクソい部分はしっかりクソい。悪い意味でライブ中に死を予見したのは初めてだったわ。
「次はもっと暖かい場所でライブがしたい」
諏訪ななかさん、愛してます。
とまあ余談はさておきライブ自体の感想ですが、シンプルに楽しかったの一言に尽きますね。
あんだけライブタイトルに不満垂らしてた筆者でさえ頭クルクルクルーラーされる程度には楽しいライブでした。空振り三振でゲームセット。コットンキャンディーはマジでズルいだろアレ。
ただ、自分が今のAqoursに求めているものがそこにあったのか、と問われればそうではありませんでした。
今のAqours
「これまではラブライブ!サンシャイン!!がAqoursの物語を作ってきたけど、これからはAqoursがラブライブ!サンシャイン!!の物語を作る」
(Day1Day2どっちだったかは忘れましたが)埼玉公演のMCにて、降幡愛さんが語ってくれたことです。
今のAqoursの進む道とは、降幡さんのこの言葉に詰まっていることと思います。
この道の始まりはやはり2年半以上前、「
5thライブに置けるAqoursの問題、アニメの物語が幕を閉じてしまったことでしょう。これからはこれまで基盤にしてきた物語が無くなってしまうのだから。3rdライブにて鮮烈なシンクロパフォーマンスを見せつけたからこそ、その事実は重く圧し掛かります。
それだけに留まりません。最大の問題は、アニメにおけるAqoursは6人で続けるという選択を取りましたが、現実ではそうはいかないということ。だってそうでしょう?形だけ真似て3年生組だけがグループから脱退するなんてことは出来ない。作中にて「Aqoursは何人と決まっている訳じゃない」と発言した千歌に対し、キャストさん方、特に伊波杏樹さんは繰り返し「この9人こそがAqours」と強調しているように、現実のAqoursは人数やメンバーを変える選択は取れない訳です。
けれど先代であるμ’sのように基盤となる物語が幕を閉じたから現実でもFINAL LIVEをする、と言う選択も直ぐにはとれません。
何故ならμ’sを終わらせた穂乃果達と違い、千歌達は˝Aqoursを続ける˝と言う形を選んだのだから。その部分でのシンクロは貫かなければならない。
結果として劇場版での結論は再現できない。どうであるにしろAqoursはアニメとの分岐を迫られていた。終わるにしろ続けるにしろ、どこかでアニメとは異なる結論を示す必要がありました。
そして実際、伊波さん等は分岐と言う選択を取りました。それこそが5thライブで示された道。
では分岐をした先の道で何を成すのか、自分がAqoursに求めていた答えでした。
※この先「考えすぎやろwww」や「妄想厨乙www」などと思われかねない部分が多々存在するため賢明な皆さまは一度声に出して発散しておきましょう。
いいですか? Repeat after me.
せーのっ―――死ね。
言いました?言ったね?これでお前とも縁が出来た。
てなわけでいきましょう。
今のAqoursの道。
直近でその道の何たるかを示したのは、やはりラブライブ!シリーズ初の実写MVであった「DREAMY COLOR」であると思います。
巷では「アニメとのシンクロをかなぐり捨てた」なり「ラブライブの強みを消した」などと意見されているこちらですが、まあ正直そう思われても致し方のないものだとは思ってます。だって今までのラブライブにはない試みなのだから。逃げるような物言いですがこれに関しては善も悪もない、本当に受け取る側の考え方次第です。
で、まあじゃあお前はどう捉えてんだって話ですが、自分は今のAqoursに関してはこれすらもシンクロパフォーマンスになり得ると考えています。
例を挙げてみましょう。自分達は過去に同様の景色を見ていたはずです。
例えば3rd福岡の「DROPOUT?」
劇中では理亞の転倒により完全な形で披露することの叶わなかったその歌。聖良と共に立つ最後のラブライブの舞台に強い気持ちで挑んでいた理亞は、きっとその失敗を悔やみ、もう一度ステージに立つことを願ったことでしょう。
そして劇中では決して叶うことの無いその悲願は、現実世界のSaint Snowの2人によって達成されます。
例えば4thの「想いよひとつになれ」
作中において本来この曲は9人で披露されるはずのものでした。けれど梨子がピアノのコンクールに出場するという都合から急遽8人での披露を強いられることとなります。
「本当は9人そろって大会に出たかった」
これは2019年、NHKにて放送された「Aqours 東京ドームへの道」にて、我らが伊波杏樹さんが発していた言葉ですが、これには当時首が折れるくらい首肯したものです。
梨子も、他のメンバーも、同じステージで歌い踊ることを望んでいた。
つまり作中では叶うことの無かった9人での「想いよひとつになれ」の披露を、現実世界のAqoursが叶えた、と言う形にもなる訳です。
例えばラブライブ!フェス!の「WATER BLUE NEW WORLD」と「Believe again」
「決勝はこの衣装とこの曲で挑むつもりだった」
劇場版にて聖良がそう零したように、「Believe again」は本来ラブライブの決勝で披露されるはずの曲でした。
けれどそれは叶わなかった。たった一つの失敗によって潰えてしまった。きっと当人達を含む多くの者が決勝の舞台に立つSaint Snowを望んだものだと思われます。
そしてそれはラブライブ!フェス!と言う夢の祭典で叶えられます。
Aqoursが、Saint Snowが、あの世界のファンたちが、そして自分達オタクが望んだ˝幻のラブライブ決勝戦˝がそこにはあったのです。
(あれ半分くらいセイスノじゃね?)
これらはその先のAqours、もといラブライブ!サンシャイン!!が進む道の先駆けだったように思います。
千歌達2次元のAqoursが叶えられなかったことを伊波さん達3次元のAqoursが叶える。それもまた一つのシンクロパフォーマンスの形であり、とても素敵な物語でしょう。
まあ正直妄想もいいところ。正しい保証もない自らの理想で凝り固まった妄想に浸って一人で気持ちよくなっている、ただのオ〇ニーです。
けれど何かを推すことって実際そんなモンですから。自分勝手に理想を押し付けて合致すれば喜び違えばキレ散らかす。オタ活なんてそれでいいと思います。
と、いう訳で自分の掲げた理想も一つのオタクの形として受け入れてもらうものとして。
ともかく、自分が求めていたのは形式を真似る˝アニメ準拠˝という枠を超えた2次元と3次元のシンクロ。基盤となる物語が幕を閉じたからAqoursだからこそ出来るパフォーマンスがある筈でした。
ですがこのコロナ禍によってその道立ては叶わず、挙句コンテンツそのものも迷走するような事態に。
ようやくの開催となった6thライブでもその答えは示されないままでした。
ですが6thライブはそこで終わりませんでした。
追加公演、WINDY STAGEの発表です。
WINDY STAGE
2度目の東京ドーム。
ようやく叶ったこの舞台への凱旋。
苦節の時間を乗り越え、約束の場所へと舞い戻った事実はきっと輝かしいものだ。
でも面倒くさいオタクである自分はそれにすら不安を覚えていて(SUUNY STAGE Day2で発表された瞬間は普通に泣いてたけどね)。
追加公演という形も相まって、「今まで辛かったね」「でも皆がいたからここにまた帰ってこれたよ」と、昨今の感傷的な空気感のまま消費されてしまうのではないかという不安が少なからず存在していた。
そんな嬉しくかつ楽しみに思いつつも悶々とした日々を重ねること早3ヶ月。気付けばドーム公演当日まで来ていた自分はその場所へと向かった。
ななか、嘘だよな……
いや暑っい。前年比+8℃は流石にバグでしょ。なんでSUUNY STAGEよりSUUNYしてんだ。暖かい場所ってこういうことですか?????????
ある意味全盛期のAqoursらしい天候ではあったけど流石に命の危機を感じたので開場と同時にドームに避難。某ベルーナとは比べ物にならないほど整った空調設備の中でくつろいでいると凄く聞き覚えのある声で場内放送が掛かった。
高森奈津美さん……即ちアキバレポーターによるアナウンスである。
ああやって作中のキャラを演出の一部として組み込んでくれるのは流石ラブライブというか、これから臨むライブへの没入感があそこで一気に増した気がします。(Day2はよいつむトリオか月ちゃんが担当してくれるのかな~とか思ってたけど全然そんなことはなかった)
そんなお膳立てもあり徐々に高まってゆくボルテージの中告げられた浦の星交響楽団の登場。
ここまで約6000字使ってたっぷり前置きしましたがようやくWINDY STAGEの感想に移ります。
1曲目
なんどだって約束!
「あ、今回は期待していいかもしれない」
この曲が初手に来た時、自分の中で安堵と期待が湧き上がるのを感じた。
順を追って話しましょう。
正直最初は「˝No.10˝枠かぁ……」とか思っていたし、今回の東京ドーム公演に臨むにおいて一番の不安材料だったと言っても過言ではありませんでした。
理由は上述した通り、昨今のAqoursに溢れていた感傷的な空気感をモロに表したような楽曲であったから。
だから無難なセトリでライブをこなした後、「辛いことばかりだったけどこれまで支えてくれていありがとう」「これからもよろしくね」と、本っっっ当に言い方は最悪だがエモを推し売るようにこの曲で〆る、という形ばかり想像してしまって気が気ではなかった。
でもAqoursは違った。初手から約束を果たすことでこれまでの禊を済ませてくれたのです。
実際この曲が持つ意味自体は変わってはいないのでしょう。でもだからこそ最初から披露することに意味がある。約束を到達点と誤認しいつまでも引き摺っていたのはこのオタクの方で、今のAqoursにとっては1つの通過地点でしかなかったのです。
果たされたのは˝これまで˝の約束。故にその先に描かれるのは˝これから˝でした。
てかまあ、曲自体の評価に散々言ったけど曲調自体は楽しい曲なのでNo.10とはまた違うと思ってます。演出面もクソデカモニター君に9分割でそれぞれのメンバーが映し出された瞬間は何か奥底から沸き立つものを感じましたね。
2曲目
未体験HORAIZON
「WINDY STAGEへ、ようこそ~!」
ラブライブ!フェス!を彷彿とさせる高槻かなこさんの口上によって幕が開かれたこの曲は本来5thライブ後のAqoursの新たなスタートとなるはずの曲でしたが、お察しの通り直後の悲劇によってそれは叶わなかった。
だからこそ一つのケジメである約束を果たした今、新たな水平線の先を指し示すべくこの曲で幕開けを告げる。もうこの時点でクソめんどくさい蟠りを抱いていたオタクは除霊されて滅茶苦茶に光る棒をぶん回す何かへと成り果てていましたね。
余談ですがラフェス当日、高校3年生かつ受験生であった自分はセンター試験会場に監禁されていた為、ようやくこの形でこの曲を拝むことが出来たなぁと、二重の意味で嬉しい選曲でした。
3曲目
DREAMY COLOR
Future flight
未体験な水平線を指示した後に披露されるのが今のAqoursの象徴とも取れるこの2曲で来るんですよ。どれだけ俺を喜ばせれば気が済むんですかね。
特にドリカラに関しては上述した通り新しいAqoursの形を指し示す1つの楽曲でもあるため、正しくこのタイミングで披露するに相応しい曲と言えるでしょう。
5曲目(Day1)
で!その後にこの楽曲を持ってくるのが本当に憎いところなんですよ奥さん。
このクソ長文ブログをここまで読んでくださった根気強い皆様なら既にお察しかと思いますが、3年生組での「未熟DREAMER」の披露とはアニメ内にて旧Aqoursが成し遂げられなかったものなんですよね。つまりこれもまた上述の通り2次元のAqoursが叶えられなかったことを3次元のAqoursが叶えたことになるんですよ。
それをソロ楽曲の衣装着替えの繋ぎに使っちゃうところがねホントもう……。
「もう今のAqoursはその程度のこと平然とやってのけるんだが?」と、どや顔している諏訪ななかさんのご尊顔が目に浮かぶようでした。コイツ諏訪ななかさん好き過ぎるだろ。
(今更ですが全曲にコメントしてると文字数がえげつないことになる(なお現時点で7000字)ので特に印象に残った曲だけをピックアップしていく運びとさせて頂きます)
だが違和感がある。アニメのIFをキャストが描くシンクロパフォーマンスをこんな序盤で切ってしまうのなら、この先のセトリでAqoursが示そうとしているものはなんなのか。
そんな疑問に悶々としつつ次々に披露される楽曲を浴びていた折、事件が起こります。
そう、˝奴˝が現れたのです―――、
12曲目
Next SPAKLING!!
(コイツ善子ソロに触れないってマジ?)
メインステージのクソデカスクリーン君に親の顔の次くらいには見た劇場版のワンシーンが映し出された時、冗談抜きで呼吸が止まったのを覚えている。
「Next SPAKLING!!」
劇場版において千歌達Aqoursの結論を示した曲であり、5thライブにて伊波さん達Aqoursがアニメからの分岐を示した曲。自分達オタクにとっても大事な曲だ。
(この筆者は「劇場版ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」が好き過ぎるきらいがあるためガチでネクスパについて語ろうとすると本っっっ当に長くなってしまうので簡潔に済ませますが、この楽曲の2番における立ち去ったはずの3年生と共に歌うシーンは言わば千歌達6人の心情や心持ちを視覚化したものであり、˝3年生組を含めた9人のAqoursでの道があったから今こうして6人のAqoursとしてこのステージに立っている˝、という意味を含んだシーンとなっています。ここテストに出るので覚えておきましょう)
5thライブにおいてアニメとは違う形でこの曲を披露した理由は言うまでもないでしょう。繰り返しますがアニメとは違い3次元のAqoursはあの9人で進んでいくのだから。必然的にこの曲が帯びる意味もアニメとは変わってくる。あの瞬間のネクスパはあの9人で進み続けるための曲だった。
そんな曲がこのタイミングで披露されたのです。それも1,2年生と3年生が別々の場所で歌い踊るという、完全再現となる形で。
元々この形での披露を5th前から望んでいた自分は今回の演出に落涙を止められなかったのですが、この面倒くさいオタクにはやはり違和感が付き纏います。
このタイミングで改善再現をした意味、意図とは一体なんなのか。
その疑問の答えは次に披露された曲が示してくれました。
13曲目
i-n-g,I TRY!!
ネクスパの後に披露される楽曲なんてこれ一つしかないでしょう。
ここで恒例の自分語りなのですが、筆者はこの「i-n-g,I TRY!!」という楽曲が本当に大好きでして。
Next SPARKLING!!
— がじゃまる (@Gazyamaru1) 2019年6月26日
↓
ING
↓
i-n-g, I TRY!!
的な感じでi-n-g, I TRY!!はNext SPARKLING!!の続きの物語なのかなぁ…って授業中に思いました(勉強しろ)
こちら筆者の3年前のツイートなのですが、当時授業中に英語のカンマ、つまり「,」の意味を理解した自分はふとこんなことを思いました。
カンマは文末に用いられるピリオドとは異なり文を区切りはするものの文章そのものを終わらせることはせず、後に続く言葉へと文脈を繋ぎます。そしてそのカンマが「i-n-g,I TRY!!」には用いられているんですね。
そして頭を飾るのは「Next SPAKLING!!」から続くingの文字。つまりこの曲はネクスパの続きに当たる物語であり、ピリオドではなくカンマを用いることで「1度区切りはしたがこの先も物語は続いていく」ということを表しているんですよね。
この6thライブにおいての意味もそれと同じでしょう。アニメはとうの昔に終わった。これからは違った道を進んでゆく。けど、これからもその物語を背負っている事実は変わらない。この曲は、あのパフォーマンスはその証明だ。
筆者はコロナ禍前に「6thライブのセトリは「i-n-g,I TRY!!」から始まるんじゃないか」と予想していたこともあったので今回のネクスパ→ingの流れにはかなり嬉しいものがありました。
ところでこのツイート、発信されたのが6月26日なんですが丁度この3年後に「i-n-g,I TRY!!」の初披露となったこの6thライブの開催日なの、何か運命的なものを感じますね。うふふ。
おめでたいので復唱しておきますか。
ご唱和ください我の名を
せーのっ!
コイツ高3の夏にやっとカンマの意味覚えたってマジ!!!!????
(受験の方は辛うじて何とかなりました)
浦の星交響楽団 オーケストラパート
DETERMINATION
ONE FOR ALL
Everything is here
起こそうキセキを!
幕間パートで殺しに来るのおやめになって頂いてもよろしくて??????
1つ1つがプレミアム殿堂並みの劇伴を4連続でお出しするんじゃありません。デッキに1枚も入れられないカードを4投もしちゃうなんてカトタツと来たら、お茶目なんだから♡
特にEverything is here、イントロが聞こえた瞬間からもうヤバかったですね。繰り返しますが筆者は「劇場版ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbow」がダイヤ→ルビィの愛情並みに大好きなため作中屈指の名シーンにて用いられたこの曲を前には床になる他ありませんでした。
この公演の2日前に沼津に赴き、浦の星女学院のモデルとなった長井崎中学校(現 長井崎小中一貫校)の周辺をこの曲を聴きながら散策していた為感情の昂ぶりはひとしおでしたね。
余談なんですが長井崎の生徒さん、すれ違う時に必ずと言っていい程挨拶してくれるんですよね。地域性が表れているのか、将又キモいオタクには気を付けろと再三の注意を受けているのか。うふふ、キモくてゴメンね。
14,15曲目
KU-RU-KU-RU Cruller!
Deep Resonance
アニメ世界での区切り、そして今も進み続けていることを歌った楽曲の後に披露されたのはアニメ完結後に発表されたこの2曲。
14曲目は某引っ張りハンティングゲームとのコラボソングであり、今回の6thライブの表題を飾った曲でもある「KU-RU-KU-RU Cruller!」
まあ冒頭のお気持ち表明の通りこの曲が6thの名を冠してしまったことには未だに不満垂れっ垂れではあるのですが、サビの
どうなっちゃうんだ? 楽しいなら大丈夫さ
新しいやり方で Make you happy!
KU-RU-KU-RU Cruller!
という歌詞はある意味で今のAqoursらしいなと思ったりしましたのでまあ、シンプルに曲単体として楽しいことも加味して他の曲が飾るよかまだいいかなと自分の中で決着を付けたり(手のひらR3BIRTH)
15曲目もまた某メンコゲーとのコラボソングである「Deep Resonance」
曲単体の強さもさることながら、これに関しては未ホラもそうですがかつての東京ドーム公演でセンターへの意気込みを見せたメンバーが交響楽団のオーケストラをバックにバチバチのパフォーマンスをぶちかます姿に感銘を覚えたりもしました。
昨今の風潮的にあまり大声では言えませんが、ディレゾで白一色に染まった会場の中で点々とUOが輝いている様は中々綺麗で趣きがありましたね。
これら2曲の特徴と言えばやはりラブライブ!とは一線を画する世界観を持つ他作品とのコラボ楽曲であるということ。
アニメの先の物語を示すはずの「i-n-g,I TRY!!」の後にどうしてこの2曲が披露されたか、についてですが、これは後のお知らせでアニメ化が発表された「幻日のヨハネ」が関係していると思っていて。
(本当に考えすぎだとは思うのですが)「幻日のヨハネ」という、これまでのラブライブ!シリーズとは全く異なる作品、世界観への移行を示していたのでは……と、Day2終演後に寄った秋葉のマックで思いました(粉みかん)(多分アニメ完結後の楽曲で勝負しようっていう意味合いの方が強そう)
18曲目
smile smile ship Start!
(別名マナカケンゴォ)
「KOKORO Magic˝A to Z」˝に「i-n-g,I TRY!!」
ライブ中「ようやく救われて涙が止まらねぇよ」と口走った曲が今回のセトリには多く存在しますが、その中で最もそう感じたのはこの曲かもしれません。
「smile smile ship Start!」
それは˝本来の˝6thライブツアーのテーマソングに歌詞を付けた一曲であり、5周年の記念ライブと題された「Aqours 5th Anniversary Love Live! Let`s GO WANDER TRIP」のテーマソングでもありました。
だがこの両公演はどちらも中止となってしまった。故にこの曲は2つの傷を背負った、言わば足踏みを続け、呪われているとまで称されたこの2年間の象徴とも取れる曲でした。
だからこそこの場で披露して欲しい。そう言った理由もあって今回のオーケストラ投票ではずっとこの曲に票を入れていたので流石にスマイルスマイル。
この時本当の意味でAqoursはこの2年間の清算を果したように思えました。(やっぱりコイツが一番過去に囚われてる件について)。
アンコール
SUKI for you, DERAM for you!
青ジャンやみら僕といった所謂定番曲を抑え、比較的新しい目の曲に寄せていたセトリのアンコールを務めたのは定番曲であり始まりの歌でもある「君のこころは輝いてるかい?」
ここへきての原点回帰でしたが、これに関しては流石の一言。
だって新しいAqoursはここから始まるんですから。だったらいつだって始まりを告げてきたこの曲程相応しいものはないはずです。
そしてトリを飾ったのは「SUKI for you, DERAM for you!」
スキドリは今回のWINDY STAGEのみならず名古屋、埼玉と全ての公演でライブの締めを務めてきたこの曲。故に本当の最後となった東京ドームDay2での特殊イントロは我々に様々な思い出を想起させます。
先行きの見通せぬ不安を覚えながらも、変わらぬ力強さもまた確かに感じ取った名古屋公演
再びの東京ドームでのライブが発表され泣きながら暴れ散らかした埼玉公演
そして新規アニメーションである「幻日のヨハネ」の発表
あの瞬間に満ちる感情や思い出は人それぞれでしょうが、故にそのが9人全員での「大好き~!」によって決壊させられると同時に始まる歌唱パートには無二の爆発力と輝きが宿っていました。
個人的にはこの6thライブツアー1番の演出だと思ってます。
筆者はこの曲がテーマソングを務めた「輝け!Aqoursぬまづフェスティバル」にも1度とは言え参加していたため一層込み上がってくるものがありましたね。本当にいいイベントでした、ぬまフェス……。
Wアンコール(Day2のみ)
なんどだって約束!
この曲がトリを務めることに不安を覚えていたのは言うまでもないでしょう。でも既にその約束を果たした後ならば、その約束はまた違う意味を帯びることになる。
1曲目の「なんどだって約束!」が˝これまで˝への禊であるのなら、Wアンコールによって披露された2度目の「なんどだって約束!」は˝これから˝への約束。
遅くはなってしまったけれど、必ず新しいAqoursを見せるという約束。
次のライブまでまた時間は開いてしまうけど、待っていてねという約束。
またこの場所に帰ってくるという約束。
人によって感じ取る約束の意味は違うだろう。
でも、必ずまた会おう。それだけは、あの場にいた全員に共有された想いだと信じたい。
今更こんなことを言うのは都合がいいかもしれませんが、新たな船出を示したこの6thライブツアーを締めくくるに相応しい曲だったと思います。
(以下突然の箇条書き)
総括
そんなこんなでAqours6thのライブツアーは新たな一歩を示して幕を閉じた。その一歩とは地図の無い航海への旅立ち。これまでのラブライブ!の形から脱却するという、それこそ未知なる道だ。
既に浸透しているラブライブ!の形から離れてゆくことに少なからず不安を覚える者もいるだろう。筆者だってその一人だ。
でも「アニメーション映像とシンクロするラブライブ!」というのは、あくまでも先代であるμ’sが作り出したラブライブ!の形であるということを忘れてはいけない。
アニメ1期12話において、千歌達Aqoursはただμ’sの背中を追うことを止めた。いつまでもμ’sに倣っていては、その光に手は届かないから。真の意味で自分達だけの輝きを見つけるために、Aqoursだけの道を進み出した。
それは伊波さん達Aqoursも同じはずだ。Aqoursだけの輝きを見つけるために、Aqoursだけの道を進み、Aqoursとしてのラブライブ!を作る必要がある。作中のIFとなるパフォーマンスをキャストが行う、というのはもしかしたらその先駆けだったのかもしれない。
現に後続である虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会はソロメインでの活動やメンバーの追加、Liella!もメンバー追加や作中キャラクターの進学という形でμ’sの作ったラブライブ!からは徐々に脱却しつつある。(コンテンツのマンネリ化を防ぐというメタい意味合いもあるだろうが)後輩達が既にその道を模索し始めている以上、先輩であるAqoursもまたAqoursのラブライブ!を作り出し、それを示す必要があるだろう。
予期せぬ事態で遅くはなってしまったが、遂にAqoursにもその時が来たということだ。
冒頭で筆者はどこかでAqoursにはその物語に幕を下ろして欲しいと思っている、と書いた。公演前と多少形は変われどその想いは今も存在している。
少なからず今すぐ終わって欲しいとは思わなくなった。これからも追いかけていたいとも思っている。でもどこかで必ず終止符はうって欲しい。
歴史も、物語も、生命だってそう。万物とは終わりこそに美しさが宿るものだから。
でもその美しさとはそこに至るまでの過程があるからこそ、過程を経たからこその結論があるから輝くものだ。
だからAqoursがその結論を見せてくれるまで。
美しい幕引きを、良き旅の終わりを見せてくれるその日まで。
Aqoursの紡ぐ物語が進む先を見届けてゆきたい。そう思わせてくれる、いいライブだったと思う。
どんな未来かは、誰もまだ知らない。
でも、あの18人なら必ず素晴らしいものを見せてくれると信じて。
ゼロからイチへ
イチから、その先の未来へ