観てくれ、スクールアイドルミュージカルを【微ネタバレ有】
初めましての方は初めまして、そうでない方はお久しぶりです。
早速ですがこの記事をお読みの貴方は12月10日より東京の新国立劇場で上演されていた「スクールアイドルミュージカル」は観劇なされたでしょうか。
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一応公式ホームページの方も張っつけておきますね。
まあ正直なところ実際に劇場まで足を運んだという人はそこまでいないでしょうし、そもそも興味すらないという人も一定数いることと思います。これまでのシリーズとはかなり毛色の異なる作品であることは確かですし、それが故に気が進まないという心理もあったことでしょう。実際筆者もそうでした。上演が始まる前までは。
でもなんか滅茶苦茶評判が良かったんですよね、いざ蓋を開けてみると(倒置法)。
そんでまあ、筆者はチョロいオタクですのであっさりとそんな評判に引かれて10500円という決して安くはないチケットを購入し、いざ東京公演千秋楽である12月15日の公演へを観に行きました。
デッカー……新国立劇場だよ…… pic.twitter.com/FQNBPOmbDY
— がじゃまる (@Gazyamaru1) 2022年12月15日
アスミ・カナタちゃんのお面は気にしないでください。オタクがアクスタと写真撮ってんのと同じです(同じではない)
で、まあ先に結論から言ってしまうと
めっっっっちゃ良かったです。
ついでに要件の方も言います。スクールアイドルの物語が好きなら観てください。
とは言ってもまあ、いくらオタクが1人で良い良いと騒いでるところで観に行く気にはならんと思うので。
ちょっとだけ踏み込んだ話をして、個人的に感じたスクールアイドルミュージカルの魅力について語っていこうと思います。
タイトルにもある通り多少ネタバレを含むので読み進める方はご注意ください。
まあまず、まだこの物語に触れていない方が真っ先に思うのはこの疑問だと思います。
ラブライブ!にミュージカルって合うの?
この疑問に対して私めの方からご回答させて頂きますと滅茶苦茶に合います。断言できます。ベストマッチです。戦兎と万丈です。
そもそも元のアニメの作りからして結構ミュージカルなんですよ、ラブライブ!って。
無印1期1話の冒頭や「ススメ→トゥモロウ」に始まり、サンシャインなら「決めたよ Hand in Hand」や「僕らの走ってきた道は…」、虹ヶ咲なら「EMOTION」等々の一部ソロ曲、スーパースターなら「未来予報ハレルヤ!」など、実際にキャラが歌い始めている訳ではないけれど物語のスタートを告げたり、その時点でのキャラの心情の象徴として楽曲が披露されることがあります。
これって他のアニメ作品じゃまず見ないじゃないですか。だってミュージカルの手法なんだもん。
そもそもラブライブ!シリーズの作品における楽曲というのは、上述したような突然作中に挟まるような楽曲のみならず、作中でライブとして披露される楽曲でさえもキャラが物語を通して得た答えの象徴やその集大成であることが多いです。
「WATER BLUE NEW WORLD」や「夢がここからはじまるよ」なんかがその代表例ですね。
そんなラブライブ!シリーズの物語がミュージカルに合わないなんてことありますか?んな訳ないんですよね、はい。これに関してはもう約束された繚乱ビクトリーロードですので余計な心配無問題ラ!
一応ミュージカルってのもあって本家では絶対に歌い出さないようなキャラ(理事長とか理事長とか理事長とか)もしっかりばっちり歌唱するので、そこだけはちょっと最初は忌避感ある方もいらっしゃるかなーとは思いますが、その歌唱力が圧倒的すぎて何かもうどうでもよくなりますし最終的には皆理事長推しになってるのでやっぱり無問題ラ。
ていうかミュージカル特有の歌唱に乗った会話劇のテンポは小気味よく、また随所に挟まれるギャグパート?もラブライブシリーズのアニメで(特に花田さん脚本だと)よく見るこっちまで恥ずかしくなるようなネタパートとかとは違いちゃんと笑えますし、むしろ本家より楽しく見れるまであります。
作中でメガネっ子集団の歌唱パートがあって、こちら別にギャグシーンでも何でもないんですが、筆者はそのメガネっ子達が「なんかスタァライトの星見純那を演じてる時の佐藤日向さんぽいなぁ」と思ってしまったが最後増殖した佐藤日向の群れにしか見えなくなって腹筋が終わりました。こっちは大問題ラ。
と、ここまでミュージカルとしての部分について語りましたが、本質はやはり中身、作劇にあります。
ですが流石にここをガッツリ語ってしまっては滅茶苦茶なネタバレになるため多くは語れない……。
と、言う訳でこの記事では三つ、個人的に推したいポイントをピックアップして語ろうと思います。
一つ目は自分達の知ってるラブライブ!だということ。
方向性の異なる二つの学校が舞台であり、そもそもアニメの中ではなく舞台の上という、あらゆる点で歴代作品とは一線を画する作りとなっている本作にもラブライブ!のエッセンスは受け継がれています。
もうちょっと具体的に言うと、
歴代シリーズでは穂乃果では「Private Wars」や千歌では「START:DASH」、侑(歩夢)なら「Chase!」を通して描かれたような輝きやトキメキとの出会い。
千歌と梨子、かのんと可可などで描かれた運命の出会いから始まる物語。
千歌と曜、侑と歩夢のように友情や葛藤に揺れる少女達の群像劇(千歌ばっかやな)。
そこにあったのは自分達もよく知っているラブライブ!の、スクールアイドルの物語です。
けれども決して歴代の物語を上っ面だけ真似ているとかそういう訳ではなく、そこにはちゃんとこの物語にしかない˝新しさ˝と˝面白さ˝があります。
具体的にどこがどうとかは是非ともその目で確認して頂きたいところです。
二つ目は理事長。
これまでのラブライブ!シリーズには必ず舞台となる学校の理事長が登場していましたね。音ノ木坂の親鳥、浦女の小原、(スクスタ限定だけど)虹ヶ咲のランジュ母、そして結ヶ丘の理事と、これまで個性様々な理事長が登場してきました。
そして軽く前述しましたが、このスクールアイドルミュージカルもご多分に漏れることなく理事長が登場します。
ただまあ何と言うか、自我と存在感の塊のような非常に強烈なキャラでしてね……しかもめっちゃ声通る上に歌も上手いの。場面によっちゃ完全に主役食ってるの。
それが二人です。しかも対立してます。もうゴジラVSキングギドラです。
ただまあ終始暴れて大怪獣バトルしているのかと言われればそうではなく、このキャラ達にはこのキャラ達の物語があり、彼女達もまたこの舞台を彩る重要なピースとして存在しています。
これまでのラブライブ!シリーズではあまり描かれてこなかった大人の世界というのがかなりしっかりと描かれており、それが主役である少女達の世界に与える影響や、その両者が対比されることでそれぞれの物語がより際立つなど、理事長達の物語だけでもかなり見応えのあるものへと仕上がっています。
これは2人が幸せな手を繋いで終了するまでの物語です。
オールハイル、キョウカ。オールハイル、マドカ。
そして三つ目なんですが……こちらは結構大きなネタバレとなりますので、再度のアナウンスとなりますが知りたくないという方は飛ばしちゃってください。リンクが張られてるところが目安です。
ではいいですね?三つ目のポイント紹介に移ります。
実はこのスクールアイドルミュージカル、物語の開始時点で世界にはスクールアイドルというものが存在していません。なので仮に歴代作品のどこかと世界線を共有しているとするなら、最も古い時間軸の物語となるでしょう。
現に作中に「ラブライブ!」という単語は一度も出て来ず、「スクールアイドル」という単語が初めて飛び出すのも終盤になってからです。
それが何を意味するか分かりますか奥さん。そう。これは「スクールアイドルの存在しない世界にスクールアイドルが誕生するまでの物語」と言える訳です。
どういった経緯でスクールアイドルが誕生したのか。彼女達は如何にしてスクールアイドルとなったのか。何故スクールアイドルである必要があったのかァ。その答えはひとぉつ……
そんなスクールアイドルという存在の根幹に触れる物語であった。そう言って差し支えの無いものだったと思います。
どうです?もうこの部分だけで結構観に行きたくなりません?
そんな貴方に朗報です。
残念ながら東京公演は12月15日の回で幕を閉じてしまいましたが、列車は必ず次の駅へ。では舞台は?そう、大阪へ。
まだ年明けに行われる大阪公演が残っています。スクールアイドルミュージカルが気になっているという方、まだあの舞台が眩しいという大場ななの皆さんは是非ともこの機会を逃さぬようにと願っております。
取り急ぎ書いたものなので技術的にも内容的にも色々と足りていない部分はありますが、少しでも興味を持って頂けたらと思います。
最後に筆者からアドバイスです。
後悔先に立たずと言います。
迷ってるなら行け!!!!!